山積み表 ・ 作り方とテンプレート
山積み表とは?Excelでの作り方・無料テンプレートと崩れない運用【製造業】
山積み表とは、設備・人ごとの作業時間を日付別に積み上げて負荷の超過を見る表。Excelでの作り方(SUMIFSと条件付き書式)と無料テンプレート、崩れる典型パターン、山崩しの考え方、負荷を「その場で」見る3ステップを製造業向けに解説。
山積み表(やまづみひょう・負荷山積表)とは、設備や担当者ごとに割り当てた作業時間を日付別に積み上げ、どこで負荷が能力を超えているかを見るための表のことです。超過した分を別の日や設備へ移す「山崩し」の判断材料として使います。
→ 実際の工程表を見る:サンプル入りの Slate をブラウザで開く(登録不要・DL不要)
山積み表とは──設備・人の「負荷」を積み上げて見る表
山積み表(山積表・山積み工程表とも呼ばれます)は、日付ごとに各設備・担当者へ割り当てられた作業時間を積み上げて表示し、どこで負荷が超過しているかをひと目で把握するための表です。生産計画・工程管理の現場で、負荷平準化(山崩し)の検討に使われます。山積み表で超過している日を見つけ、その分を動かして平らにするのが山崩し、という関係です。
考え方自体はシンプルですが、これを Excel で自前運用すると、多くの現場でどこかのタイミングから更新されなくなります。以下では、まず崩れにくい作り方を整理し、そのうえで崩れる原因と山崩しの考え方を見ていきます。
山積み表をExcelで作る手順(5ステップ)
1. 予定を「1行=1件」で入れるシートを作る
列は「案件・設備・担当・開始日・終了日・1日あたり工数(h)」です。設備×日付のマス目に直接数字を書き込むのではなく、予定を1件1行で持つのが、あとで崩れないための土台になります。予定が変わったら、この行の日付や工数を直すだけで済みます。
2. 設備×日付の集計シートを作る
縦に設備(担当者で見るなら担当者)、横に日付を並べます。日付は起点日のセルを1つだけ決め、隣の列を「=前の列+1」にしておくと、起点日を書き換えるだけで日付の列がすべて追従します。
3. SUMIFS で負荷を積み上げる
各マスには「その設備で、開始日がその日以前、かつ終了日がその日以降の予定の工数を足す」式を入れます。
=SUMIFS(予定入力!$F:$F, 予定入力!$B:$B, $A2, 予定入力!$D:$D, "<="&C$1, 予定入力!$E:$E, ">="&C$1)
F列=1日あたり工数、B列=設備、D列=開始日、E列=終了日、A2=設備名、C1=その列の日付
開始日は「<=」、終了日は「>=」と両端を含めるのがポイントです。こうすると、開始日と終了日が同じ1日だけの予定も、その日に1回だけ数えられます。範囲は「$F:$F」のように列全体で指定しておくと、予定の行を挿入・追加しても集計範囲がずれません。なお、この式は土日をまたぐ予定にも毎日工数を積むため、稼働しない日をまたぐ予定は分けて入れます。
4. 能力(1日に使える時間)と負荷率を足す
設備・担当者ごとに「1日に使える時間」を能力として持ち、負荷率=負荷÷能力を出します。設備なら稼働時間、人なら就業時間から段取りや打ち合わせなどを引いた時間が目安です。件数ではなく時間で持つことで、大きな案件と小さな案件を同じ物差しで比べられます。
5. 条件付き書式で超過を色で示す
負荷率が100%を超えたマスを赤、80%以上を黄色にします。土日の列見出しは WEEKDAY 関数で灰色にしておくと、休日に負荷が乗っていないかもすぐ分かります。数字を読まなくても、赤いマスを探すだけで山崩しの対象が見つかる状態がゴールです。
山積み表の無料テンプレート(Excel)
上の5ステップをそのまま組み込んだ、山積み表の Excel テンプレートです。予定を1行ずつ入れると、設備別・担当別の負荷(時間)と負荷率が日付ごとに自動で出ます。マクロなし・外部リンクなし・登録不要です。
保存されるファイル名は 山積み表_SlideUp.xlsx(マクロなし・Excel 2016 以降/Microsoft 365 向け)。サンプル行を消し、マスタに自社の設備・担当と能力を入れてお使いください。
| シート | 入れるもの/自動で出るもの |
|---|---|
| 予定入力 | 案件・設備・担当(▼から選択)・開始日・終了日・1日あたり工数(h)。終了日が開始日より前の行は黄色で警告 |
| 山積み(設備)(自動) | 設備×日付(起点日から31日分)の負荷(h)と負荷率。起点日のセルを書き換えると日付の列が追従。超過は赤、80%以上は黄色 |
| 山積み(担当)(自動) | 同じ集計を担当者ごとに |
| マスタ | 設備と担当(各10件まで)と、それぞれの能力(h/日) |
Excelの山積み表が崩れる理由
- 「設備×日付」の組み合わせを SUMIFS 等の関数で集計しており、条件が増えるほど数式が複雑化し崩れやすい
- 担当者や設備を追加するたびに行・列を挿入し、集計範囲がズレて一部だけ計算されない状態になる
- 予定変更のたびに手作業で再集計が必要で、更新が後回しになりがちになる
- グラフが自動更新されず、「今この瞬間の負荷」を見るには毎回作業が発生する
山積み表は本来「負荷が見えて、超過に早く気づく」ための道具です。ところが更新の手間が大きいと、見るための表を作ること自体が目的化し、肝心の「早く気づく」が実現できなくなります。上のテンプレートは、予定を1行1件で持つ形と列全体の参照で、このうち範囲のズレと再集計の手間を減らしています。ただし、複数人が同じファイルを同時に更新する運用は、Excel では守りきれません。
山崩し(負荷平準化)の考え方
山積み表で赤くなった日を見つけたら、次は超過分をどこへ逃がすかです。逃がし方はおおむね次の4つです。
- 別の日へ:納期に余裕のある予定を、前後の負荷が低い日へずらす
- 別の設備・担当へ:同じ加工ができる設備や、手の空いている担当者へ振り替える
- 外注へ:社内で吸収できない量を外へ出す。費用と納期を見て決める
- 残業・休日出勤で能力を上げる:能力そのものを一時的に増やす。続けると現場が疲弊するため最後の手段にする
どれを選ぶかを判断するには、超過している日だけでなく、前後の空き(負荷率の低い日)と各予定の納期が同じ画面で見えている必要があります。そして予定を動かしたら、負荷がすぐに計算し直されること。この2つがそろって初めて、山崩しが机の上の検討で終わらず、実際の予定の変更につながります。
負荷を「その場で」見るための3ステップ
1. 予定を「設備×日」の単位で1件ずつ登録する
まとめて集計するのではなく、予定を入れた時点でその設備・その日の負荷として計上されるようにします。入力と集計を分けないことが、更新漏れを防ぐ最初の一歩です。
2. 負荷の合計は自動集計に任せる
設備ごと・日ごとの合計を手計算・手動集計しない設計にします。予定が変われば、合計も自動で追従する状態を作ります。
3. 超過はその場で気づける形にする
合計が閾値を超えたら色や表示で分かるようにしておけば、「あとで棚卸ししたら超過に気づいた」ではなく、予定を入れているその場で山崩し(別日・別設備への振り分け)を検討できます。
山積み表が続かないのは、担当者の集計スキルの問題ではなく、「予定を入れる作業」と「負荷を計算する作業」が分かれていることが原因です。この2つを同じ場所にまとめると、山積み表は作る手間のかかる資料から、日々の判断材料に変わります。
よくある質問
Q.山積み表と山崩しの違いは?
山積み表は設備や人ごとの負荷を日付別に積み上げて「どこが超過しているか」を見る表、山崩しはその超過分を別の日・別の設備・外注などへ移して平らにする作業です。山積みが現状の把握、山崩しが調整です。
Q.山積み表とガントチャートの違いは?
ガントチャートは「いつからいつまで、誰が何を」を帯で示す予定表、山積み表はその予定を設備・人ごとに時間で合計した負荷の表です。同じ予定のデータから両方を作れます。
Q.単位は時間と件数のどちらにしますか?
時間(工数)が基本です。件数だと案件ごとの大きさの違いが消えて、1日に収まらない量を入れても超過として見えなくなります。
Q.負荷率の計算式は?
負荷率=負荷工数÷能力工数×100です。能力工数は設備や人が1日に使える時間で、100%を超えた日・設備が山崩しの対象になります。
Q.何日先まで作ればよいですか?
材料の手配や外注の判断に間に合う範囲が目安です。たとえば材料の手配に3週間かかるなら、少なくともそれより先まで作ります。遠すぎると見込みの予定が混ざって精度が落ち、近すぎると超過に気づいても逃がす余地がありません。
完全オフラインの工程管理という選択肢
SlideUp の Slate は、拠点・設備・担当者ごとの予定をガントチャート形式の一画面で管理する工程管理ソフトです。1つの行は段に分かれていて(段数は設定で1〜6段から選べます)、同じ日に入る複数の予定を段を分けて並べられるため、どの設備のどの日に予定が重なっているかがその場で見えます。負荷の時間集計は本記事のテンプレートで行い、予定の変更と共有は Slate で行う、という分担が現実的です。
Excel の工程表がなぜ更新されなくなるのかは「工程管理をExcelでやめたい人へ」で、工程管理と生産管理の違いは「工程管理とは?生産管理との違い」で詳しく整理しています。
Slate をブラウザでそのまま試す
山積み表の運用が続くかどうかは、実際に予定を入れてみるのが一番早い確認方法です。インストール不要・完全オフライン・買い切り。ダウンロードや登録をせずに、ブラウザでそのまま動きを確かめられます。
ブラウザ体験デモはサンプルデータ入りで、クリックするとそのまま開きます(登録・ダウンロード不要/入力内容が外部へ送信されることはありません)。体験版は全機能をお試しいただけます(4 製品とも 30 日間・件数制限なし)。買い切り(サブスクなし)・完全オフライン。推奨ブラウザ:Edge / Chrome。お使いになったら ご意見アンケート(匿名・1〜2分) にご協力ください。
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