賃率 ・ 計算式と計算ツール
賃率とは?計算式と計算例・無料の賃率計算ツール【製造業】
「この機種の賃率、いま いくらで見積もればいい?」に即答できるでしょうか。賃率表は Excel にある。けれど年度更新のたびに数式を手直しし、機種が増えるたびにシートが増え、見積と実績で別の賃率を参照している——機械加工の現場でよく起きることです。
賃率(ちんりつ)とは、設備や作業者を1時間動かすのにかかる費用を金額で表した単価(円/時間)のことです。年間の設備費用や労務費を年間の実稼働時間で割って求め、加工時間に掛けて工程ごとの原価を積み上げるために使います。
→ 実際の原価画面を見る:サンプル入りの Tally をブラウザで開く(登録不要・DL不要)
賃率とは──設備・作業1時間あたりのコスト
賃率(ちんりつ)は、減価償却費・電力費・保守費などの設備コストや人件費を稼働時間で割って算出し、「加工時間 × 賃率」で工程ごとの原価を積み上げるのが製造業の原価計算の基本形です。見積の単価も、実績原価の説得力も、この賃率が正しいかどうかで決まります。
汎用旋盤と5軸マシニングセンタでは、同じ「加工1時間」でもコストがまるで違います。機種ごとに正確な賃率を持てるかどうかが、見積の精度と実績原価の説得力を左右します。
賃率の計算式と計算例
賃率の基本式は「年間の費用 ÷ 年間の実稼働時間」です。設備と人で分けて求め、加工原価を出すときに合算します。
機械賃率(円/h)= 設備の年間費用(減価償却費+保守費+電力・消耗品費+その他)÷ 年間実稼働時間
人の賃率(円/h)= 年間労務費 ÷ 年間実労働時間
加工費(円)=(機械賃率 + 人の賃率)× 加工時間
年間実稼働時間は「稼働日数 × 1日の稼働時間 × 稼働率」で置きます。段取りや待ちの時間があるため、就業時間をそのまま使うと賃率が低く出すぎます。汎用旋盤1台の例で計算してみます。
| 項目 | 値 | 計算 |
|---|---|---|
| 設備の年間費用 | 1,200,000円 | 減価償却費 600,000+保守費 150,000+電力・消耗品費 250,000+その他 200,000 |
| 年間実稼働時間 | 1,536h | 240日 × 8h × 稼働率80% |
| 機械賃率 | 781円/h | 1,200,000 ÷ 1,536 |
| 人の賃率 | 2,526円/h | 年間労務費 4,800,000 ÷ 年間実労働時間 1,900h |
| 合算賃率 | 3,307円/h | 781 + 2,526 |
| 加工費(2.5h の加工) | 8,268円 | 3,307 × 2.5 |
同じ計算をマシニングセンタで行うと、減価償却費が大きい分だけ機械賃率が高くなります。機種ごとに賃率を持つ理由はここにあります。人の賃率は、1人で複数台を見る設備では台数で按分し、無人運転の時間は機械賃率だけで計算します。
賃率計算ツール(ブラウザでその場で計算)
下の欄に数字を入れると、機械賃率・人の賃率・加工費をその場で計算します。入力した数字はこのページの中だけで計算され、保存も送信もされません。稼働時間の欄には目安の値を入れてあるので、自社の値に直してください。
- 年間実稼働時間
- —
- 機械賃率
- —
- 人の賃率
- —
- 合算賃率
- —
- 加工費
- —
設備の年間費用を入れると、ここに計算式がそのまま表示されます。
Excelの賃率計算が合わなくなる理由
- 設備が増えるたびに賃率表の行・シートが増え、どれが最新か分からなくなる
- 減価償却費や電力費の按分を年度更新のたびに手直しし、数式が壊れやすい
- 機種ごとの賃率と、案件ごとの作業時間の掛け算を手動で転記しており、ミスが起きやすい
- 見積を作った時点の賃率と、実績原価を計算する時点の賃率にバージョンのズレが生じる
賃率そのものの計算式は難しくありません。難しいのは、機種が増え、期をまたぎ、見積と実績で別々に参照される中で、「今使っている賃率がどれか」を保ち続けることです。
賃率を「機種別 × 案件」で持つと何が変わるか
1. 賃率マスタを1箇所に集約する
機種ごとの賃率を1つのマスタにまとめ、見積でも実績原価でも同じ場所を参照します。賃率表がファイルごとに分散している状態を、まずここで解消します。
2. 作業時間の入力と賃率の掛け算を自動化する
案件ごとに機種と作業時間を入力すれば、賃率マスタの値を使って加工原価が自動計算される仕組みにします。手動の掛け算・転記を無くすことが、ミスを減らす一番の近道です。
3. 賃率の改定は履歴で残す
賃率を見直したら、いつからいくらに変わったかを履歴として残します。過去の案件は当時の賃率で、新しい案件は改定後の賃率で計算されるようにしておけば、見積と実績のズレを防げます。
賃率計算そのものは四則演算です。壊れるのはいつも「どこに最新の賃率があるか」が分からなくなったときです。賃率マスタを1箇所にまとめ、案件の工数入力と自動で掛け合わせる形にするだけで、見積と実績の説得力は大きく変わります。
よくある質問
Q.賃率とチャージレートは同じですか?
ほぼ同じ意味で、設備や作業を1時間使うときの費用単価を指します。機械加工の現場では「賃率」「機械賃率」、見積の話では「チャージ」「チャージレート」と呼ばれることが多く、計算のしかたは同じです。
Q.賃率の計算式は?
年間の費用 ÷ 年間の実稼働時間です。設備なら減価償却費・保守費・電力費などの年間合計を年間稼働時間で割り、人なら年間労務費を年間実労働時間で割ります。
Q.機械賃率と人の賃率は分けたほうがよいですか?
分けるのが基本です。1人で複数台を見る設備や、無人運転する設備では人と機械の時間が一致しないため、合算した1本の賃率だと原価がずれます。
Q.稼働率は何%で置けばよいですか?
実績があれば「実際に加工していた時間 ÷ 就業時間」で置きます。実績が無ければまず70〜80%で計算し、段取りや待ちの時間が見えてきたら見直します。
Q.賃率はどのくらいの頻度で見直しますか?
年度の予算・決算のタイミングで年1回が目安です。設備の追加や電力費の大きな変動があった時は期中でも見直し、見積時点の賃率と実績原価の賃率がずれないように改定日を記録しておきます。
完全オフラインの原価管理という選択肢
SlideUp の Tally は、設計・加工・材料・外注の4区分で案件原価を管理する原価管理ソフトです。機種ごとの賃率(工数レート・設備レート)をマスタとして持ち、案件に作業時間を入力するだけで加工原価が自動計算されます。実績原価は入力した時点のレートで確定するため、期の途中で賃率を改定しても過去の案件の原価はブレません。
原価管理ソフトの選び方全般は「製造業の原価管理ソフトはどう選ぶ?」で、原価管理と原価計算の違いは「原価管理とは?原価計算との違い」で詳しく整理しています。
Tally をブラウザでそのまま試す
賃率がどこまで正確に原価へ反映されるかは、案件を1件入れてみるのが一番早い確認方法です。インストール不要・完全オフライン・買い切り。ダウンロードや登録をせずに、ブラウザでそのまま動きを確かめられます。
ブラウザ体験デモはサンプルデータ入りで、クリックするとそのまま開きます(登録・ダウンロード不要/入力内容が外部へ送信されることはありません)。体験版は全機能をお試しいただけます(4 製品とも 30 日間・件数制限なし)。買い切り(サブスクなし)・完全オフライン。推奨ブラウザ:Edge / Chrome。お使いになったら ご意見アンケート(匿名・1〜2分) にご協力ください。
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