内示 ・ 受注の違い
内示と受注の違いとは?Excelで管理が崩れる原因と整理の仕方【製造業】
内示(フォーキャスト)とは、取引先から届く確定前の数量予測。確定受注(注文書)との違いを比較表で整理し、BtoB量産系の製造業で内示と受注を同じExcelで管理すると崩れる理由、内示を受注残に混ぜずに扱う3つのポイントとよくある質問を解説。
内示(ないじ)とは、取引先から事前に届く「この時期にこれくらい発注する見込み」という数量の予測のことです。正式な注文書による確定受注とは別物で、材料手配や生産計画の準備に使いますが、数量は確定まで変わることがあります。
→ 実際の受注画面を見る:サンプル入りの ORDER をブラウザで開く(登録不要・DL不要)
内示とは何か──「まだ確定していない受注」
自動車・電機系の量産部品を扱う製造業では、取引先から内示(ないじ)と呼ばれる数量予測が定期的に届きます。「◯月にだいたいこれくらい発注する見込み」という事前情報で、正式な発注書(確定受注)とは別物です。内示は納期に向けた材料手配・生産計画の準備に使われますが、あくまで予測であり、直前まで数量が変動することも珍しくありません。
問題は、この「内示」と「確定受注」を同じ受注管理表で扱おうとしたときに起きます。まず2つの違いを表で整理します。
内示と受注(確定注文)の違い
| 項目 | 内示 | 受注(確定注文) |
|---|---|---|
| 確定の度合い | 見込み(数量の予測) | 確定した約束 |
| 数量・時期 | 確定まで変わることがある | 原則として注文書のとおり |
| 根拠となる書類 | 内示表(フォーキャスト) | 注文書・注文請書 |
| 受注残に含めるか | 含めない | 含める(検収が済むまで) |
| 材料・工程の手配 | 準備の目安。先行手配は契約の条件を確かめてから | 注文どおりに手配する |
| 売上の計上 | しない | 検収(納品の確認)が済んだ時点で計上 |
ひと言でいえば、内示は「準備のための情報」、受注は「約束」です。どちらも同じ取引先・同じ品番の数量なので見た目は似ていますが、受注残や売上の見通しに入れてよいのは受注だけです。
内示から確定までの流れ
量産品の継続取引では、内示が段階的に絞り込まれて確定注文へ進むのが一般的です。期間や呼び方は取引先によって違いますが、おおむね次の順に進みます。
- 3か月内示:3か月ほど先までの数量の見通し。設備・人員の計画や、リードタイムの長い材料の準備の目安にする
- 1か月内示:翌月分の数量の見通し。3か月内示より精度が上がるが、まだ変わることがある
- 確定注文:注文書で数量・納期が確定する。ここから受注として扱い、受注残に入る
- 納入指示:確定した数量を、日ごと・便ごとにいつ納めるかの指示
- 納品・検収:納めた分が検収されると売上になり、その分だけ受注残が減る
受注管理で大事なのは、確定注文が届いた時点で「内示」から「受注」へ切り替え、その日を記録しておくことです。切り替えの日が残っていれば、内示と確定の数量の差や、内示から確定までの日数を後から振り返れます。
内示と受注を混ぜて管理すると起きる問題
- 内示欄と確定欄が同じシートに混在し、合計金額を見るとどちらも含んだ数字になってしまう
- 内示の数量が更新されても古い数字のまま放置され、生産計画とズレていく
- 内示から確定受注へ切り替わったタイミングが記録に残らず、「いつから確定だったか」を後から追えない
- 拠点や担当者ごとにシートが分かれ、最新の内示数量がどれか分からなくなる
これは実務の運用が悪いのではなく、性質の違う2つの数字(予測と確定)を1つの表・1つの合計に押し込めていることが原因です。受注残を正しく出そうとするなら、まずこの2つを分ける必要があります。
内示と受注、扱いを分ける3つのポイント
1. ステータスを明確に分ける
「内示」「引き合い」「受注(確定)」「納品済み」のように、案件の状態をステータスとして持ちます。内示はあくまで内示のステータスのまま管理し、確定受注の集計に混ぜません。
2. 内示は受注残に含めない
受注残(受注金額−検収済み金額)は「確定した約束」を対象にする数字です。内示を受注残に含めると、まだ確定していない金額を既に約束された売上のように見せてしまい、資金繰りや生産計画の判断を誤らせます。
3. 内示→確定の切り替えを1件ずつ記録する
内示が確定受注に切り替わった日付を、案件ごとに記録します。「いつ内示が確定に変わったか」が残っていれば、リードタイムの実績や、内示から確定への転換率も後から振り返れるようになります。
内示を確定受注の欄に上書きしていく運用は、切り替わった瞬間の記録が残らず、あとで「あの案件、いつから確定だったか」を誰も答えられなくなります。内示と確定は、別のステータスとして最初から分けておくのが結局いちばん早い道です。
よくある質問
Q.内示に法的な拘束力はありますか?
一般には内示は「見込み」で、確定注文(注文書)とは扱いが違います。内示をもとに手配した材料や工程の扱いは取引基本契約の定めによるため、内示だけで大きな手配をする前に契約の条項を確認するのが安全です。
Q.内示と引き合いは同じですか?
違います。引き合いは「この案件を頼めるか」という個別の相談段階、内示は継続取引で取引先から定期的に届く数量の予測です。どちらも確定注文ではない点は共通なので、受注管理上は「確定前」のステータスとして扱います。
Q.内示は受注残に含めますか?
含めません。受注残は確定した注文の未検収分だけを指します。内示は別の欄・別のステータスで持ち、確定に切り替わった時点で受注残に入れます。
Q.内示の数量が減った・取り消された場合、手配済みの材料はどうなりますか?
契約で決まります。内示分の材料費を補償する取り決めがある取引もあれば、無い取引もあります。だからこそ「どの内示に基づいて何を手配したか」を案件ごとに記録しておくことが大切です。
Q.内示は英語で何と言いますか?
forecast(フォーキャスト)です。「内示表」は forecast sheet、「確定注文」は firm order と呼ばれます。
完全オフラインの受注管理という選択肢
SlideUp の ORDER は、引き合い・受注・納品済み・失注の4ステージで案件を管理する受注管理ソフトです。内示段階の案件は「引き合い」ステージで管理し、正式発注が来たタイミングで「受注」ステージへ切り替えるだけで、確定受注の受注残・月次売上の集計から内示分を自然に除外できます。受注へ切り替えるときは確認画面が出て、発注日が空欄ならその日の日付が入ります。見積日・発注日と金額の変動(ボタンで履歴に記録)も案件に残せるため、あとから経緯をたどることもできます。
受注残そのものの計算方法は「受注残とは?Excelで合わなくなる原因と直し方」で詳しく整理しています。受注管理ソフトの選び方全般は「製造業の受注管理ソフトはどう選ぶ?」も参考にしてください。
ORDER をブラウザでそのまま試す
内示と確定受注を分けて管理できるかどうかは、実際に案件を1件登録してみるのが一番早い確認方法です。インストール不要・完全オフライン・買い切り。ダウンロードや登録をせずに、ブラウザでそのまま動きを確かめられます。
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